弊社では、単品での加工依頼が多い難削材の加工も手掛けています。これらの難削材は切削条件(回転数、送り速度、刃物形状、切込量、切削油)を把握することに経験値を要し、さらに同一の材料であってもロットにより材料の状態が異なることから。自動機による加工にはリスクを伴います。その点、弊社では汎用切削をメインとしており、豊かな経験と豊富な知識で加工を行います。

ジルコニウムの特徴

ジルコニウムは、チタン族元素に分類されるレアメタルの一つで、強度や耐食性に優れ、人体親和性が高いという特徴があります。融点が1852℃と高く、耐熱性にも優れた金属です。チタンに似た性質を持つ金属で、チタンと同じく大気中で酸化皮膜を形成して内部の腐食を防ぎます。また、チタンよりも軟らかく靭性も劣りますが、耐食性はチタンよりも優れます。

腐食耐性に関しては、ステンレスやチタンも含めた他のほとんどの金属よりも優れています。硫酸・塩酸・硝酸といった酸はもちろん、アルカリにも強く、高濃度水酸化ナトリウム水溶液にも耐えることが可能です。また、海水中などの塩化物が存在する環境下でもほぼ錆びることがありません。ただし、900℃以上の高温では、水蒸気と反応して脆くなり、損傷の原因となります。さらに、反応時に水素ガスが発生するため、引火すると爆発を引き起こします。

ジルコニウムには、金属の中で最も熱中性子と反応しにくいという特徴もあります。そのため、本来放射能を持たない物質が放射能を持ってしまう「放射化」が起こりにくく、原子力発電所関連の材料として有用です。
貴金属のように埋蔵量が少ないわけではありませんが、採掘可能な地域が偏っていたり、製造時のコストが高くついたりするため、チタンほどではありませんが高価格となっています。

ジルコニウムの用途

ジルコニウムは、その幅広い腐食耐性と耐食性の高さから、様々な薬品を取り扱う化学工業などで重要視されている材料です。化学工業用の構造材料や医療用機器など、特殊な薬品に触れる製品の材料に使用されています。

また、ステンレスなどの代替材料として使われることで、設備や機器の稼働率向上や長寿命化などに繋がっており、コスト削減にも寄与しています。

熱中性子に曝される環境下での安全性から、原子炉の核燃料を封じ込めて放射性物質の漏洩を防ぐ、燃料棒の被覆材料や燃料集合体を覆うチャンネルボックスの材料としての用途もあります。ただし、この用途では、1.5%〜2.5%のスズを含有するジルコニウム合金「ジルカロイ」の形で用いられます。

人体に対する安全性が高く、自在に色を変えることができることから、装飾品としての用途も増えています。ジルコニウムは、元々銀白色ですが、熱を加えるなどの加工を施すことで酸化皮膜の厚みを制御し、虹色やグレー色など多彩な色に変化させることが可能です。
そのほか、ジルコニウムの酸化物である「ジルコニア」は、歯科材料や研磨研削材、電子材料、顔料、ガラス、センサ、触媒など、先端産業をはじめとする様々な産業の製品に用いられています。

ジルコニウムの切削性

ジルコニウムは、切削加工によって比較的容易に成形が可能ですが、切り屑が発火性で取り扱いに注意を要するなどの理由から、難削材に分類されます。

ジルコニウムは、表面が空気中で酸化しますが、酸化と共に発熱するため、表面積が大きい切り屑は燃焼しやすく、加工で火花などが発生するとたちまちのうちに燃え上がります。しかし、高温では水分と反応して水素ガスを発生させるため、水は消化に使えません。そのため、切削加工を行う際には、あらかじめ乾いた砂や金属火災用の粉末消火剤などを用意しておく必要があります。

ジルコニウムは熱伝導率が小さいことから、切削した箇所及び工具に熱が集中しやすくなっています。それにより、工具は蓄積された熱によって摩耗しやすくなり、材料は焼付きを起こしやすくなります。そのため、切削速度などの切削条件と、刃物の材質・形状を吟味する必要があります。

また、ジルコニウムは軟らかいため、むしれが生じやすく、削り屑が工具に絡みやすくなっています。この対策として、切削条件の調整と工具の適切な選定も有効ですが、こまめな切り屑の排出作業なども必要となることがあります。

ジルコニウム加工なら日逓テクノ工業へ

ジルコニウムをはじめとした難削材の加工を行うためには、何と言ってもその材料に対する加工経験がどれくらいあるかが重要となります。日逓テクノ工業では、これまでに難削材の調達・加工・溶接・組立を数多く経験しています。

顧客からの図面に見慣れない材質の記載があった際に、当社のことを思い出していただければ幸いです。コストや納期が厳しい場合でもお気軽にご相談ください。